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昼を謳う詩人
「ふぅむ…」
女性編集長は、一通りの詩を読み終えると、
目の前の詩人を、上目使いで見た。
詩人はただじっと彼女の評価を待つ。

「…こんな時代だから希望を描こうとする。
最近多いのよ。
魂胆が見え透いているわ。」
吐き捨てように言って、彼女はその詩の束を机に放る。

「眠ってしまうから夜の闇は見えない。
そういうことかしら。
物事の本質から目を背けて、
明るい昼だけを謳おうとするなんて、
なんだか滑稽だわ。
ユートピアばかり描いていても、
詩人にはなれないわ。」

詩人は、首を傾げる。
「目を背けていると?
俺には世界は、全くその通りに映るのだが。」

女性編集長は嘆息する。
詩人は続ける。
「この世の本質が闇とは、勝手な言い分だ。」

「あなた。世相を明るく塗り変えようという意図すらなかったと?」

「世界を暗いと決め付けてるのは人の心だ。
決め付けの世界で他人の心を測るとは、ありがちなこと。」

女性編集長は、もう一度その詩篇に目をやる。
先程白々しく映った言葉が厚みを帯びる。

「あなたの詩が、もっと読みたいわ。」


結局詩人の詩は採用されなかった。

代わりに編集長は、魅力的なこの詩人との出会いを編集後記に記した。
彼に少し嫉妬してしまったわ、と。
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【2009/03/13 00:59 】 | 創作 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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